アースガーデンとパーマカルチャー

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アースガーデンにはパーマカルチャーのデザインを参考に作られました。環境に配慮した以下の1〜6の特徴があります。

パーマカルチャーとは、パーマネント(permanent 永続的な)と、アグリカルチャー(agriculture 農業)からできた合成語です。パーマカルチャーのカルチャーには、アグリカルチャーのみでなく、カルチャー(culture 文化)の意味も含まれます。人間社会の基本構造としての「農」が健全な形で存在すれば、その社会と文化は永続的なものに成り得るという考え方を、この語は表わしています。

パーマカルチャーは1970年代にオーストラリア、タスマニア出身の生物学者ビル・モリソンとその学生であったデビッド・ホルムグレンにより、永続的な農業をベースにした居住地作りの12の設計(=デザイン)原則として体系化されました。その背後には、環境問題の深刻化や、合成化学農薬、化学肥料に依存した近代農業への強い危機感がありました。

パーマカルチャーは、自然の生態系のシステムにならった持続可能な居住地、農的営みや暮らし、地域作りの設計手法(=デザイン)です。そこには環境にも人にもやさしい知恵や工夫がいっぱい含まれます。また、農村のみでなく郊外でも都市部でもパーマカルチャーデザインによる居住地作りや生活が可能です。(都市におけるパーマカルチャーは、アーバン・パーマカルチャー(urban permaculture)と呼ばれ、個人宅、学校校庭、コニュニティー・ガーデン、都市の再生やエコ・シティ作りなどに、その手法が生かされています。

パーマカルチャーの設計原則は、居住地(有機ガーデンや家屋)作り、地域作りのみでなく、社会的、経済的な仕組み(システム)の作り方にも生かされています。地域通貨や労働交換(LETS), 相互扶助システム、協同組合、小規模な融資(micro lending)システムもその例と言えます。

 


1. 自給用の有機ガーデン

これまで何度かガーデンの生態系調査をしてきました。最近の調査(2012年5月)によれば、650㎡の敷地内の菜園その他の場所で、年間約176種類の食べ物(野菜、果樹、山野草、ハーブ、キノコなど)が確認されています(栽培種と自生種を含む)。

それ以外に、薬用効果のある山野草も32種類見つかり、合計232種類の食用/薬用植物(=有用植物)が育っています。小さなガーデン全体が、ビオトープのように土壌圏も地上部も生物相が豊かです。人間のニーズである食糧生産と、生物多様性の保全が両立しているユニークなガーデン生態系が、10年の年月を経てでき上がりました。

pg_image1春は球根類の花々が咲き、夏はフォレストガーデンのようになり、四季の移り変わりを感じられる心安らぐスペースでもあります。小さな有機ガーデンのデモンストレーションの場として、これまで多くの方々の見学を受け入れ、ガーデンのデザイン原則をお伝えするなど、情報提供を行ってきました。


2. 環境と健康に配慮した建物

地場木材をふんだんに使い、床には未晒し蜜蝋ワックス、ドイツ製無公害塗料。壁には化学物質無添加の布クロスなどで、シックハウスの原因物質を抑制しています。


3. 水の活用と循環

雑排水は嫌気性微生物に分解され、ガーデンに再利用されています。またプライベイトキッチンからの排水はMacrophyte Grey Water Filterと呼ばれるバイオ・ジオ・フィルターで処理されます。オーストラリアのエコビレッジ、クリスタルウォーターズに滞在中、バリー・グッドマン氏のお宅でこの仕組みを見学し、資料を参考に作りました。 排水がここに入り、土と砂で濾過され、大型湿地性植物の根についた微生物で処理される仕組みです。排水を良好な状態に保つため、合成洗剤は使用せず、せっけんや重曹が使われています。


4. 雨水タンク

ガーデンには雨水タンク(200リットル)が2つと、大型バケツの雨水タンクが2つ(ひとつは70リットル、もうひとつもたぶん同じ)あります。これら合計4つのタンクでほぼ550リットルの雨水が貯められ、菜園や花壇への散水、ガーデン作業用の道具や、収穫野菜の泥洗いに使われています。


5. コンポストやメタン発酵槽による養分循環

生ゴミはコンポスト容器で堆肥化され、有機ガーデンに使われています。トイレのひとつは小さなメタン発酵槽につながり、嫌気発酵により排泄物がクリーンな液肥に変身。バイオガスも得られる仕組みです。


6. パッシブソーラーと、自然エネルギー/バイオマスの活用

建物の軒は、夏の太陽を遮断し、冬の日差し入れるような角度になっています。(このため厳寒期の2月でも晴天時は、暖房器具を使わずに南向きのカフェスペースの室温が18度C~20度Cまで上がったことがありました。)薪ストーブ、太陽熱温水器が設置されていますが、2009年秋にはきょうとグリーンファンドのおひさま発電所となり、太陽光発電パネルが設置されました。

おひさま発電所

2009年の8月、アースガーデンの屋根には特定非営利活動法人(認定NPO法人)きょうとグリーンファンドによる5kW規模の太陽光発電パネルが設置されました。9月6日には点灯式が行われ、きょうとグリーンファンドの13機目のおひさま発電所となりました。(1機目~12機目はすべて京都市内で、13機目は南丹市で初めての設置事例と聞いています。)この費用は平成21年度日本郵便の年賀寄付金助成金と、きょうとグリーンファンドの「おひさま基金」、市民の皆様よりの資金協力(設置協力金と寄付)、アースガーデンの資金でまかなわれています。

アースガーデンのおひさま発電所で発電された電力に見合う金額は「おひさま基金」に一定期間積み立てられ、さらにおひさま発電所を増やしていくのに使われます。

pic_02ohisama1_2点灯式:小さなライトに明かりが灯りました。

pic_03ohisama3おひさま発電の表示パネル:現在の発電量、 本日の発電量、本日のCO2削減量が表示

認定NPO法人 きょうとグリーンファンド
おひさま発電所
http://www.kyoto-gf.org/